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糖尿病の検査と治療

監修:横浜市立大学 内分泌・糖尿病内科学 教授 寺内 康夫 先生

運動療法


運動療法は効果がありますか?

運動は、減量効果や心肺機能の改善、筋肉の衰えの予防だけではなく、血糖値の改善やインスリン抵抗性の改善にも効果があることが知られていて、特に2型糖尿病がある方では、食事療法と運動療法を組み合わせることで、血糖マネジメントが改善することが知られています。また効率的に内臓脂肪を減らすことができるので、メタボリックシンドロームの予防にも効果的です。

参考:日本糖尿病学会 編・著: 糖尿病診療ガイドライン2019, p.57-58, 南江堂 2019
参考:日本糖尿病学会 編・著: 患者さんとその家族のための糖尿病治療の手びき改訂第58版, p.66-69, 南江堂 2020

運動療法を行ってよい方、いけない方

合併症がある場合や薬剤で治療している場合は運動が制限されることもありますので、運動の種類や強さ、回数などは医師と相談して適切に行うようにしましょう。
また、運動量が多いときは、用いている薬剤によっては低血糖が起こる可能性があります。昼の運動が夜間低血糖をもたらす場合があります。

参考:日本糖尿病学会 編・著: 糖尿病治療ガイド2022-2023, p.53-58, 文光堂 2022

運動療法を行ってよい方

重い合併症がない糖尿病の方

運動療法を行ってはいけない方

運動により高血糖、高ケトン血症を生じる可能性がある方
増殖網膜症、腎症など重い合併症がある方
心血管障害で運動を止められている方
発熱時

など

※妊娠中の糖尿病の方は、状態を見ながら軽い散歩程度にとどめ、運動療法を行うときは必ず医師に相談しましょう。

参考:日本糖尿病学会 編・著:患者さんとその家
族のための糖尿病治療の手びき改訂第58版, p.66-69,
南江堂 2020を参考に作図

参考:日本糖尿病学会 編・著: 糖尿病治療ガイド2022-2023, p.53-58, 文光堂 2022

どんな運動をすればいいの?

運動の種類は、歩行、ジョギング、水泳といった「有酸素運動」と腕立て伏せや腹筋運動といった「筋力トレーニング(レジスタンス運動)」に分けられ、どちらも糖尿病の改善に有効だとされています。このような運動を日常生活に3回~5回、有酸素運動は週に150分かそれ以上を週に3回、運動をしない日が2日間以上続かないように行い、レジスタンス運動は連続しない日程で週に2~3回行うことが推奨されます。

参考:日本糖尿病学会 編・著: 糖尿病治療ガイド2022-2023, p.53-58, 文光堂 2022