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糖尿病の検査と治療

監修:横浜市立大学 内分泌・糖尿病内科学 教授 寺内 康夫 先生

食事療法


食事療法は、自分の適正エネルギー量を知り、その範囲で栄養バランスを考えてさまざまな食品をまんべんなくとることが大切です。食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、朝食、昼食、夕食の3回ゆっくりよくかんで、腹八分目で食べるよう心がけましょう。また、食物繊維を多く含む食品(野菜、海藻、キノコなど)をとると、食後の血糖値上昇を抑え、血清コレステロールの増加も防ぎ、便通を改善する作用があることが知られています。
高血圧や脂質異常症、腎症などの病気がある場合は、食塩量や脂質、タンパク質の量なども考える必要があるので、医師や栄養士と相談しながら食事療法を行ってください。

参考:日本糖尿病学会 編・著: 患者さんとその家族のための糖尿病治療の手びき改訂第58版, p.62-66, 南江堂 2020

食事療法の目安

栄養配分の目安

栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質)をバランスよく食べましょう。

炭水化物は総エネルギー量の50~60%
タンパク質は総エネルギー量の20%まで
脂質は炭水化物、タンパク質の残り
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注意事項

  • 食物繊維の多い野菜、海藻、キノコをとりましょう。(1日350gを目標)
  • 薄味を心がけ、食塩の摂取を控えましょう。
    (男性7.5g/日、女性6.5g/日以内、高血圧合併を伴う場合6g未満/日)
  • アルコールはほどほどに。(1日25g程度)※例:缶ビール350mL1本
  • 肝疾患や重い合併症などを発症している場合は禁酒。

1日の決められたエネルギー摂取量を超えないように注意しましょう!
肥っている方は特に炭水化物の採りすぎに注意しましょう!

参考:日本糖尿病学会 編・著: 糖尿病診療ガイドライン2019, p.37-38,43-44 南江堂 2019より
参考:岩本安彦 監修.専門医が治す!糖尿病.高橋書店, 2007:88-89.
参考:日本糖尿病学会 編・著: 患者さんとその家族のための糖尿病治療の手びき改訂第58版, p.62-66, 南江堂 2020

エネルギー量の計算

摂取エネルギー量の目安=①標準体重×②身体活動量

①標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
②身体活動量(kcal/kg 標準体重)
 =25~30 軽労作(デスクワークが多い職業など)
  30~35 普通の労作(立ち仕事が多い職業など)
  35~   重い労作(力仕事が多い職業など)

参考:日本糖尿病学会 編・著: 糖尿病治療ガイド2020-2021, p.48-49, 文光堂 2020より