監修:横浜市立大学大学院医学系研究科 分子内分泌・糖尿病内科学
教授 寺内 康夫 先生
食事療法は、自分の適正エネルギー量を知り、その範囲で栄養バランスを考えてさまざまな食品をまんべんなくとることが大切です。食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、朝食、昼食、夕食の3回ゆっくりよくかんで、腹八分目で食べるよう心がけましょう。また、食物繊維を多く含む食品(野菜、海藻、キノコなど)をとると、食後の血糖値上昇を抑え、血清コレステロールの増加も防ぎ、便通を改善する作用があることが知られています。
高血圧や脂質異常症、腎症などの病気がある場合は、食塩量や脂質、タンパク質の量なども考える必要があるので、医師や栄養士と相談しながら食事療法を行ってください。
参考:日本糖尿病学会 編・著: 患者さんとその家族のための糖尿病治療の
手びき改訂第57版, p.62-66, 南江堂 2017
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栄養配分の目安 |
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栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質)をバランスよく食べましょう。 |
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注意事項 |
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食物繊維の多い野菜、海藻、キノコをとりましょう。(1日350gを目標) |
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薄味を心がけ、食塩の摂取を控えましょう。(1日10g以内、高血圧ならびに顕性腎症以降の腎症の合併を伴う場合1日6g未満) |
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アルコールはほどほどに。(1日25g※程度)※例:缶ビール350mL1本 |
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肝疾患や重い合併症などを発症している場合は禁酒。 |
1日の決められたエネルギー摂取量を超えないように注意しましょう!
肥っている方は特に炭水化物の採りすぎに注意しましょう!
参考:日本糖尿病学会 編・著: 糖尿病診療ガイドライン
2016, p.37-38, 南江堂2016より
参考:岩本安彦 監修. 専門医が治す!糖尿病. 高橋書店, 2007:88-89.
参考:日本糖尿病学会 編・著: 患者さんとその家族のための糖尿病治療の手びき2017
改訂第57版, p.62-66, 南江堂 2017
摂取エネルギー量の目安
=①標準体重×②身体活動量
①標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
②身体活動量(kcal/kg 標準体重)
=25~30 軽労作
(デスクワークが多い職業など)
30~35 普通の労作
(立ち仕事が多い職業など)
35~ 重い労作
(力仕事が多い職業など)
日本糖尿病学会 編・著: 糖尿病治療ガイド
2018-2019, p.44-45, 文光堂 2018より
食は、カラダをつくる大切な要素で、生きる楽しみのひとつでもあります。
糖尿病の改善や予防には、食事のカロリーや糖質、食塩摂取量をコントロールすることが重要ですが、決められた量の中でも、少しの工夫でごはんをもっとおいしく楽しくすることができます。
糖尿病を気にかけるすべての方に、今日も、10年先も、食べることを楽しんでほしいから、今すぐ活用できるレシピをご用意しました。
栄養バランスを考え、1日1600kcalを目安にした、朝・昼・晩の献立です。
ぜひ毎日の食生活にお役立てください。
MSD×ABC Cooking Studio: 糖尿病が気になる人のための
HEALTHY BALANCE RECIPE. p.2, 2015より
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